一人暮らしにおける物件探しのポイントとは？初めてでも失敗しないコツを徹底解説

一人暮らしを始める際、まず最初に取り組むべきは「お部屋探し」です。

納得のいく住みやすい部屋を見つけることが、快適な新生活を送るための第一歩となります。

理想の物件に出会うためには、事前の計画と準備が非常に重要です。

そのためには、物件選びにおける重要なポイントを事前に押さえておくことが求められます。

この記事では、部屋探しの基礎知識として物件の種類・選び方のコツなどについて紹介します。

一人暮らし物件探しの基本ステップと期間

物件探しは、早ければいいというものではありません。

適切なタイミングを見計らって物件探しを始めることで、時間や費用を無駄にすることなく一人暮らしをスタートできます。

また、スムーズな手続きを進めるためにも、どのような流れで行うべきか把握しておくことも大切です。

物件探しはいつから始める？

一人暮らしの物件探しは、入居希望日の2ヶ月前から始めるのが最もおすすめです。

これは、物件の取り置きができないため、あまりに早く始めると空家賃を支払うことになりかねないためです。

また、逆に短期間で決めようとすると焦ってしまい、納得のいく物件選びができなくなる可能性があります。

物件の検索から入居までは、スムーズに進んだとしても最短で1～2週間、平均すると2～3ヶ月を要すると言われています。

物件探しから新生活スタートまでの流れ

部屋探しから入居までは、以下のように流れていくことが多いです。

1. STEP

   希望条件を整理

   家賃・間取り・立地・築年数・設備などを明確にする。

2. STEP

   インターネットや情報誌で物件を検索

   条件に合う物件をピックアップし、候補を絞る。

3. STEP

   不動産会社に連絡して内見を予約

   気になる物件を実際に見学し、周辺環境や室内をチェック。

4. STEP

   気に入った物件があれば申込書を提出

   入居の意思を表明し、物件を仮押さえする。

5. STEP

   入居審査に進む

   収入や支払い能力などを確認される（通常2～5日程度）。

6. STEP

   入居審査に必要な書類を提出

   本人確認書類・収入証明書・印鑑・印鑑証明書・住民票などの書類を提出し手続きを進めていく。

7. STEP

   審査通過後、契約手続きへ進む

   重要事項説明を受けたうえで賃貸契約を締結する。

8. STEP

   初期費用の支払い・鍵の受け取り

   敷金・礼金・仲介手数料などを支払い、鍵を受け取る。

9. STEP

   引っ越し準備・入居

   ライフラインの開通手続きや荷物の搬入を行い、生活がスタート。

これらのプロセスを理解し計画的に進めることが、円滑な物件探しにつながります。

物件の種類を知る

一人暮らしの物件探しでは、主にマンションとアパートが選択肢となりますが、実は明確な定義の違いはありません。

一般的には、3階建て以上がマンション・2階建て以下がアパートと区別されることが多いです。

建物の構造も異なり、マンションは鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄骨造が多く、アパートは木造や軽量鉄骨造が多い傾向にあります。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。

このほか、学生寮・社員寮も選択肢の一つです。

寮費に光熱費が含まれ食事が提供されるケースもあり、生活費を抑えやすい利点があります。

すぐに友人ができやすい反面、人間関係で気を遣うこともあるでしょう。

また、一戸建ては一人暮らしには広すぎる傾向があり、家賃や光熱費も高くなりがちです。

物件の購入という選択肢もありますが、結婚などライフスタイルの変化やトラブル時に引っ越しにくいという側面があるため、慎重な検討が必要です。

部屋探しの前に決めておきたい希望条件

部屋探しを始める前に最も重要なのは「どのような部屋に住みたいか」という希望条件を明確にすることです。

これにより、物件探しの方向性が定まり、スムーズに進められます。

特に「絶対に譲れない条件」と「妥協しても良い条件」をはっきりさせることが、物件の選択肢を広げる鍵となります。

家賃の予算設定

家賃は毎月かかる固定費であり、一人暮らしにおける最大の出費の一つです。

無理なく支払い続けるためにも、手取り月収の3分の1以内を上限の目安とすることが一般的とされています。

家賃以外の生活費とのバランスも考慮し、無理のない金額を設定しましょう。

立地条件

通勤・通学の利便性は非常に重要です。

希望の沿線や駅・駅からの距離などの条件を設定しつつ、ある程度の許容範囲を持たせることで、物件の選択肢が広がります。

例えば、希望する駅の隣の駅も検討範囲に入れるなど、柔軟な姿勢が物件探しを成功させるコツです。

部屋の広さ・間取りの選択と希望

どれくらいの広さや部屋数が必要か、具体的な希望を明確にしましょう。

間取りの種類（1R・1K・1DK・1LDKなど）によって、生活スタイルや家賃が大きく変わります。

自分の荷物の量や家具の配置・生活動線などを考慮し、必要な広さや間取りを検討することが大切です。

設備や仕様

「新築・築浅」「バストイレ別」「コンロ2口以上」「オートロック」「ペット相談可」など、希望する設備や条件を具体的にリストアップし、優先順位をつけましょう。

特に、人気の設備は家賃が高くなる傾向にあるため、本当に自分の暮らしに必要なものかよく考えることが重要です。

内見でチェックすべきポイント

気になる物件が見つかったら、実際に足を運んで「内見」を行うことが極めて重要です。

物件情報や写真だけではわからない実際の雰囲気や状態を、徹底的にチェックしましょう。

設備と間取り

図面だけでなく、実際の目で設備の有無や劣化具合、間取りの広さを確認しましょう。

特に、生活動線がスムーズかをシミュレーションすることが大切です。

1Kの間取りにおいては、調理の油や匂いが居室に充満しにくいかの判断ポイントとして、キッチンと居室が壁や扉で仕切られてるかも見ておきましょう。

コンセントの数や位置も、家電の配置に影響するため重要なチェックポイントです。

汚れや傷・建付けの良し悪し

壁や床・天井に目立つ汚れや傷がないか、窓やドアがスムーズに開閉できるかをチェックします。

入居前の状態を把握し、部屋の写真や動画を撮っておくと、退去時の敷金返還トラブルを避ける記録として非常に役立ちます。

建物の向きと日当たり

部屋の向きを確認し、日当たりの状況を把握しましょう。

南向きは日当たりが良いですが、隣接する大きな建物によって日陰になることもあるため、周囲の状況も確認が必要です。

また、時間帯によって日差しの入り方が変わるため、可能であれば異なる時間帯に内見をすると良いでしょう。

家具・家電配置後の広さ

実際に生活するうえで、ベッドやソファなどの大型家具・家電を配置した時に十分なスペースが確保できるか、メジャーで具体的に測っておきましょう。

家具・家電のサイズに合わせて切った紐などを持参すると、より視覚的に広さを把握できます。

また、大型家具の搬入経路も忘れずにチェックしましょう。

建物の防音性

一般的に、木造アパートよりも鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションの方が防音性が高いとされています。

壁を軽く叩いて音の響きを確認したり、壁や床に耳を当てて隣室の音を聞いてみたりすると良いでしょう。

窓を開閉して、外部からの騒音がどの程度聞こえるかの確認もしておくと安心です。

においの有無

水回りの下水臭・タバコ臭・カビ臭など、気になるにおいがないか確認します。

カビくさい部屋は湿気がこもりやすく、結露やカビの発生が多い可能性があります。

近くに飲食店がある場合は、営業中の時間帯に内見を行い、外部からのにおいもチェックしましょう。

建物の防犯性

オートロック・モニター付きインターホン・防犯カメラの有無は、物件の防犯性を高める重要な要素です。

玄関ドアの鍵がツーロックであるか、鍵の種類がピッキングに強いディンプルキーであるかなども確認しましょう。

また、郵便受けから室内が見えないか、扉に鍵がかかるかなど、細部の防犯対策もチェックポイントです。

ゴミ置き場の設置場所と管理状況

ゴミ置き場が自分の部屋に近すぎないか、清潔に管理されているかを確認しましょう。

ゴミ置き場が荒れていると、住民のゴミ出しマナーが守られていない可能性や、物件の管理体制が不十分であると推測できます。

また、敷地内にゴミ置き場がある場合や、業者収集の場合は比較的便利です。

住民トラブルの有無

建物の掲示板に貼られている注意書きから、過去にどのような住民トラブルがあったかを推測できます。

具体的な注意書きが多いほど、そのトラブルが頻繁に発生している可能性があります。

近年ではオンラインでの内見に対応している不動産会社も多く、時間や距離の制約がある場合に便利です。

スタッフが現地で採寸や周辺環境の確認を代行してくれるため、現地に行かなくても詳細な情報を得られますが、実際の雰囲気は掴みにくいというデメリットもあります。

新築物件や退去前の物件など、内見ができないケースもあるため、その場合は外観や周辺環境だけでも確認しておきましょう。

確認しておきたい周辺環境について

快適な一人暮らしを実現するためには、物件の室内だけでなく、周辺環境がどれだけ生活しやすいかも非常に重要です。

内見時には、物件の周囲を実際に歩いて、以下の点を重点的に確認しましょう。

生活利便性

最寄り駅や物件の近くに、コンビニ・スーパー・病院などの生活に必要な施設があるかを確認します。

またスーパーの営業時間や品揃え、価格帯までチェックできると、日々の買い物のイメージが湧きやすくなります。

最寄り駅までの実際の徒歩時間も重要です。

実際に歩いてみると物件情報に記載されているよりも、時間がかかる場合る傾向にあります。

さらに、バスや自転車を利用する場合は、バスの本数や駐輪場の有無を確認することも忘れてはいけません。

治安レベル

安心して暮らすために、物件周辺の治安の良さは必須のチェックポイントです。

人通りが多いか、街灯が多く夜間でも明るいか・防犯カメラの設置状況・いざという時に駆け込める交番やお店が近くにあるかなどを確認しましょう。

特に女性の一人暮らしでは、夜間の雰囲気は重要です。

昼間は静かな住宅街でも、夜は街灯が少なく暗くなる場所もあるため、可能であれば夜間に物件周辺を歩いてみて、実際の雰囲気を確認することをおすすめします。

騒音の発生源

静かな環境を望むなら、騒音の発生源がないか確認しましょう。

繁華街・交通量の多い幹線道路・鉄道の線路沿いは、騒音が発生しやすい場所です。

また、大きな病院や消防署が近い場合、緊急車両のサイレンの音が頻繁に聞こえる可能性もあるため、注意が必要です。

ライフスタイル別における物件の選び方

一人暮らしの物件選びで重視するポイントは、個人のライフスタイルや状況によって大きく異なります。

ここでは、主なライフスタイル別の重視点を見ていきましょう。

一人暮らしで後悔しないための注意点

一人暮らしの物件選びでは「理想の部屋を見つけたい」という気持ちが先行しがちですが、実際に住んでから「思っていたのと違った」と後悔するケースも少なくありません。

このような失敗を避けるためにも、注意すべきポイントについて把握しておきましょう。

一つの希望にこだわりすぎない

通勤・通学の便利さを最優先して駅近物件を選んだら、人通りが多くて夜間もうるさかったり、収納が少ないことに後で気づいたりする例があります。

自分の一番の希望を優先しすぎるあまり、他の重要な条件を見落としてしまう失敗は珍しくありません。

これを避けるためには、事前に日常生活に必要な条件を複数リストアップし、優先順位をつけておくことが大切です。

また、ある程度の妥協点を持つことで、物件の選択肢を広げ、より良い物件を見つけやすくなります。

人気の設備だからという理由で選ばない

ロフト付きや浴室乾燥機能付きなど、一見魅力的な人気の設備は、家賃を高くする要因にもなります。

しかし「ロフトは夏場に熱がこもって寝られない」「はしごの昇り降りが面倒」「浴室乾燥機は電気代が高く、結局使わなくなった」といった理由で、実際にはあまり活用されないという失敗例も多い傾向にあります。

物件を契約する前に、その設備が本当に自分のライフスタイルに必要か、費用対効果を冷静に検討することが重要です。

費用の計算は十分に行う

魅力的な物件を見つけて思わず契約してしまったものの、家賃が収入に見合わず、毎月の生活が経済的に厳しくなるという失敗も多いです。

家賃の目安は、手取り収入の1/3以内が無理のない範囲とされていますが、管理費や共益費が予想以上に高額な物件もあるため、契約前に総額をしっかり確認することが重要です。

また、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用が家賃の5～8倍程度かかることも念頭に置いておく必要があります。

これらの費用を事前に把握し、総合的に判断することが、後悔しない物件選びにつながります。

一人暮らしにかかる費用について

一人暮らしを始めるにあたっては、さまざまな費用がかかります。

大きく分けて、賃貸契約時に必要な「初期費用」と、毎月の「生活費」があります。

これらを事前に把握し、無理のない予算計画を立てることが重要です。

賃貸契約時の初期費用の内訳と目安

初期費用は、一般的に家賃の5ヶ月分程度が必要とされていますが、場合によっては5～8倍程度かかることもあります。

例えば、家賃を8万円とした場合、初期費用は約40万円が目安となります。

主な内訳は、以下の通りです。

• 敷金…家賃1ヶ月分
• 礼金…家賃1ヶ月分
• 前家賃…家賃1ヶ月分（入居する月の家賃）
• 仲介手数料…家賃0.5～1ヶ月分
• 保証会社利用料…家賃0.5～1ヶ月分（連帯保証人が不要な場合に利用）
• 火災保険料…約2万円ほど
• 鍵交換費用…約1～2万円ほど

これらに加えて、引っ越し費用も発生します。

閑散期（5～2月）は約3万円ほどが平均ですが、繁忙期（3～4月）には約5万円に高くなる傾向があります。

公社の賃貸のように、礼金・仲介手数料・更新料が不要な物件を選ぶことで、初期費用を大幅に節約できる場合もあります。

毎月かかる生活費の内訳と平均

家賃を除いた毎月の生活費は、男女34歳以下の単身勤労者世帯の平均は約122,000円とされています。

これに家賃8万円を加えると、合計で月々約202,000円が必要となります。

生活費の主な内訳は、以下の通りです。

• 食料費（外食費含む）…約35,000円
• 光熱費…約8,000円
• 家具・家事用品費…約7,000円
• 被服及び履物費…約7,000円
• 保健医療費…約5,000円
• 交通・通信費…約20,000円
• 教育・教養娯楽費…約20,000円
• その他…約20,000円

これらの費用を考慮し、自分の収入に見合った生活計画を立てることが、一人暮らしを成功させるための重要なステップです。

新生活を始めるための最低限の準備品

新しい一人暮らしを始めるにあたって、どのようなものを準備すれば良いか迷うかもしれません。

まずは、生活に必要な最低限の家具や家電・日用品を揃え、実際に生活しながら必要に応じて買い足していくのがおすすめです。

家具・家電の選び方と必要な種類のリスト

内見時に部屋のサイズを測りながら、以下のような必須家具や家電をリストアップしましょう。

必要な家具の例

• カーテン（引っ越し初日に必須）
• 寝具
• ローテーブル
• ラグやカーペット

必要な家電の例

• 照明器具（備え付けの場合あり）
• エアコン（備え付けの場合あり）
• 電子レンジ
• ガスコンロ（備え付けの場合あり）
• 洗濯機
• 冷蔵庫
• 掃除機

必要な日用品の例

• ペーパー類
• タオル類
• バス用品
• 洗面用品
• キッチン用品
• 掃除用品
• ゴミ袋

実家暮らしではあまり意識しなかった日用品も、一人暮らしでは自分で揃える必要があります。

快適な一人暮らしを成功させるための心構えとマナー

充実した一人暮らしを送るためには、物件選びの段階から入居後まで、いくつかの心構えが重要になります。

不動産会社訪問時や入居後のマナー

不動産会社を訪問する際は、事前に予約を入れるのがスムーズです。

服装は普段着で構いませんが、清潔感のあるきちんとした格好が好ましいです。

希望条件を明確に伝えることで、スムーズな物件探しができます。

不動産会社や大家は、入居希望者の人柄や対応も見ていますので「この人に部屋を貸したい」と思ってもらえるような誠実な態度を心がけましょう。

入居後は、マンションやアパートなどの集合住宅での共有スペースのルールや、ゴミの分別ルールをきちんと守ることが大切です。

お互いが気持ちよく暮らせるよう、住民として意識的な行動を心がけましょう。

家計簿をつけてお金の流れを把握する重要性

一人暮らしでは、家賃・光熱費・食費など、全ての費用を自分で管理しなければなりません。

家計簿をつけることで、収入と支出の流れを把握し、無駄な出費を見つけたり、節約や貯蓄につなげたりすることができます。

手書きやスマートフォンアプリなどさまざまな手段があるため、自分に合った方法で家計管理を習慣化しましょう。

家事の習得と習慣化

実家暮らしでは親任せだった洗濯・掃除・料理などの家事を、一人暮らしでは全て自分で行う必要があります。

一人暮らしを始める前に、実家で家事の練習をしておくのがおすすめです。

親からコツを教わったり、簡単な料理から始めたりすることで、新生活での家事の負担を軽減し、要領良くこなせるようになるでしょう。

入居後の防犯対策と日々の意識

特に女性の一人暮らしでは、防犯対策が非常に重要です。

物件選びの際に、オートロック・モニター付きインターホン・2階以上の階層・防犯カメラ・宅配ボックスなどの設備があるかを確認することも大切ですが、入居後も日々の防犯意識を高く保つことも忘れてはいけません。

具体的な対策としては、窓に二重鍵をつけたり、防犯センサーを設置したりする、宅配便などでも訪問相手を確認してからドアを開ける、そして女性の洗濯物は室内に干すなどの工夫が挙げられます。

まとめ

一人暮らしの物件選びを成功させる最大の秘訣は「自分にとって本当に必要な条件」を明確にし、それを吟味することです。

部屋探しを始める前に、理想の条件をできるだけ多くリストアップし、そのうえで優先順位と妥協点を定めることが、スムーズな物件探しにつながります。

物件情報だけで判断せず内見を行い、設備や間取り・汚れ・防音性などを五感で徹底的にチェックしましょう。

また、物件の周辺環境も同様に重要であり、生活利便性・治安・騒音の有無などを実際に歩いて確認することが、入居後の後悔を防ぎます。

計画的な準備期間（2～3ヶ月前からのスタートが目安）を設け、費用面も十分にシミュレーションしながら、納得のいく理想の物件を見つけ、充実した一人暮らしをスタートさせましょう。